のんびりアクチュアリー勉強日記

アクチュアリー勉強の記録を書きます

【損保数理】クレーム総額の分布関数の計算 移動ガンマ分布近似

クレーム総額の分布関数の計算のより一般的な方法として、ガンマ分布に近似させる方法があります。

G(x:\alpha,\beta)を、パラメータ\alpha, \betaを持つガンマ分布の分布関数としましょう。

\displaystyle{G(x:\alpha, \beta)=\int_{0}^{x} \frac{{\beta}^{\alpha}} {\Gamma(\alpha)} t^{\alpha} e^{-\beta t}dt}

 

ここで、このガンマ分布をx_0だけ正の方向に移動させた分布関数G(x-x_0:\alpha, \beta)を考え、これを移動ガンマ分布と言います。

 

クレーム総額Sを移動ガンマ分布で近似するとき、E(S),V(S),E(\{S-E(S)\}^3)が移動ガンマ分布の期待値、分散、3次積率と等しいとして近似します。

公式としてまとめると次の通りとなります。

移動ガンマ分布近似 \displaystyle{E(S)=x_0+\frac{\alpha}{\beta} \\V(S)=\frac{\alpha}{{\beta}^2} \\ E(\{S-E(S)\}^3)=\frac{2\alpha}{\beta}}